機関誌【一期一会No.142】が発刊されました。
機関誌発行
2026.05.14
「第76回 岐阜新聞大賞」受賞に際して思うこと

税理士法人TACT髙井法博会計事務所
TACTグループ関連12社 代表
会長 税理士 髙井 法博
一、予想もしなかった、大変嬉しい知らせ
昨年末、岐阜新聞社の経済部の記者時代から旧知の仲である久松孝志さんより、電話をいただいた。現在は読者局の局長をされており、岐阜新聞大賞の事務局をされているとのことであった。そして、「令和7年度 岐阜新聞大賞の受賞者として、外部の方何名かから髙井さんの名前が候補に挙がっている。ぜひ推薦を受けていただきたい」との電話であった。「岐阜新聞大賞」は76年の歴史があり、県内の各部門において大きな功績を残された、錚々たる方々が受賞しておられる。その存在は当然に知っており、毎年新聞の切り抜きをファイルしていたが、まさか自分が候補になるとは夢にも思っておらず、全くの想定外で大変な驚きであった。私自身 若き日に、「人生の師」の一人でもある今は亡き経営コンサルタントの一倉定先生から、「あなたの経営理念に沿った経営計画に基づき、心から『事業を発展させ、お客様の継続・発展の支援を行い、お客様の感謝と社会からの評価をいただき、社員にも名誉とプライドを持たせよう』と思うのなら、名誉職は引き受けるな。叙勲や勲章を求めるな!!自分に厳しく、お客様や社員に対しても心から相手の成長を願い、『小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり』の精神で向き合え。自分自身に対しては誰よりも厳しく、真の経営者となるべく誰にも負けない勉強をし、他事に目を向けず、寝ても覚めても仕事に向き合い命懸けでやり抜け」と教えていただいた。また、京セラ㈱社長でもあられた稲盛和夫氏が「盛和塾岐阜」の開設前に来岐され、講演会が開催された時にご指導いただいたことがある。盛和塾岐阜の設立準備を中心になって進めておられた、当社のお客様でもある㈱サニタケの故・松岡浩社長より、「我々は準備があるから、申し訳ないが控室で稲盛先生のお相手をしていただきたい」と言われ、30分程二人だけで話をする至福の時間をいただいた。折角のこの時間、またとない機会である。経営上の悩みや困っていること等、理想と現実の差について話をしたところ、稲盛先生はジッと黙って私の話を聞いてくださった。そして、「私自身も、あなたと同じような悩みを持っていた。誠実な、成功する経営者はみな同じような悩み、苦しみを持つ。あなたの今の悩みは、どこにでもある会社にするのなら、妥協してキレイごとの対応をして行けばよい。そうでない素晴らしい会社を創ろうとするのなら、大変苦しく厳しいが、今あなたが話したような対応をすれば良いのではないか。私もそのようにしてきた。頑張ってください!!」と言っていただいた。二人の「経営の神様」と言われるような方から、「素晴らしい経営者となり、素晴らしい会社にするためには、誰よりも勉強して仕事に向き合い、寝食を忘れ仕事のことを考え、命を懸けてやり抜くことである。それであって、初めてお客様や社員のためになり、素晴らしい企業を創ることができるのだ」と教えていただいた。創業以前に大恩ある会社に勤務していた時、子会社の再建という仕事に携わらせていただき、再建させることができた。「経営計画書の作成」という経営の根幹に関わる仕事に携わる機会を得たことが、私の一生を決めたといってもよい。創業してからの私は、この「経営計画書の作成」をお客様への経営助言の中心に据え、経営を行ってきた。
二、「岐阜新聞大賞」とは
「岐阜新聞大賞」とは、岐阜県において学術・産業・教育・文化・社会事業等の各分野で功績を挙げ、地域社会の発展や振興に顕著な貢献を果たした個人または団体を表彰し贈られる、きわめて権威ある賞である。1950年創設の歴史ある賞で、76年の長きにわたり継続されており、時代の変遷と共に地域社会を支えてきた先人たちの努力と功績を顕彰し続けてきている。また、本賞の選考は、東海国立大学機構 岐阜大学 学長を委員長とし、学識経験者、経済界・文化界の有識者等で構成される選考委員会により、極めて厳正かつ慎重に行われる。候補者は各分野から推薦され、その業績の社会的意義、継続性、地域への波及効果など、多面的な観点から総合的に評価される。単なる一時的な成果ではなく、長年にわたる実践と積み重ね、そして地域社会への具体的貢献が問われるのである。その歴史の重みを思うとき、今回の受賞は決して軽く受け止めることのできない、大きな責任を伴うものであると痛感している。だからこそ「なぜ、私が候補に・・・。本当に私がいただいても良いのだろうか?」と何度も考えたが、「多くの方からお声が挙がっており、ぜひ推薦を受けていただきたい」と言っていただき、ありがたく受けさせていただくこととした。推薦状は、岐阜県経済同友会から次のような内容で行っていただいた。
~以下推薦状~
県立岐阜商業高卒。卒業後、会社勤務の傍ら苦学して税理士資格を取得し、いまや700を超える関与先を抱える岐阜県内最大規模の会計事務所に成長させた。関連企業12社でTACTグループを組織し、県内中小企業の黒字化支援に大きく貢献している。関与先の黒字企業割合は全国平均(36%)の2倍強となる74%を超えている。岐阜県経済同友会には1989年入会。幹事として政策提言に関わっている。2016年には私費で公益財団法人髙井法博奨学会を設立し、給付型奨学金で学生の進学をサポートし続けている。また知見を活かして岐阜市の委員会や懇話会など多くの委員を務め、地域社会の発展に寄与している。
三、推薦理由
その後、選考委員会による厳選なる審議を賜り、昨年12月末に受賞が決定。今年2月14日の賞の贈呈式の模様は岐阜放送にてテレビ放映された。受賞の御礼に岐阜新聞の杉山幹夫最高顧問を訪問した際、「今回の大賞受賞は、選考委員の満場一致での決定であった。昔からあなたのことを知っているが、若い時から一途で誠実な熱意と実践力は全く変わっていない。髙井さんには、もっと早くにこの賞を受け取っていただかなければならなかった」との勿体ないお言葉をいただき、大変感激すると共に、身に余る光栄であった。受賞のコメントとして「経営の助言を通してお客様の7割が黒字になり、喜んでもらえることが創業の原点であり、私の生きがい。今まで以上に尽力していくことが使命だと思っている」と述べさせていただいた。これまで行ってきた「お客様への黒字化支援」を認めていただいたのが、心から嬉しい。
しかし一方で、アメリカとイスラエルがイランに突如攻め入り、最高指導者であるハメネイ氏を殺害した。その後のイランによるホルムズ海峡の封鎖は、原油の高騰を招いている。今年の大きなインフレの流れの中で、実質的に「第三次オイルショック」と言える状況が追加され、多くの物品の価格が高騰。さらに人手不足や政府の「責任ある積極財政」は、海外や金融市場の不安等から円安を招き、さらなるインフレ懸念も出ている。今後の事業経営の舵取りが非常に難しい時代に突入している。経営者は常に広い視野で情報を仕入れ、状況を判断して決断し迅速に実行に移さねばならない。人は、自分の知っている範囲内で考え、判断をする。また、実行には経営者の強い意志が必須となる。関与させて頂いている経営者の皆様の悩みを共に担い、考え、共に解決に向かっていくためにも、引き続きこれら諸問題の対応の為の情報発信を続けていく所存である。
*今回の巻頭言は、髙井会長が折に触れて話されている内容を、広報委員長の文責においてまとめ、掲載させて頂いております。
(文責:広報委員会 委員長 髙井 歩実)