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機関誌【一期一会No.136】が発刊されました。

機関誌発行

2024.11.20 2024.11.25

『リーダーとしての自覚と責任』

~ 「このままでは国家財政は破綻する」(元)財務事務次官 矢野康治氏 ~

税理士法人TACT髙井法博会計事務所
TACTグループ関連12社 代表
会長・税理士  髙井 法博

 

昨年よりTACTグループはグループ12社中10社を9月決算としたため、9月は期末の繁忙期となるが、私は9月29日、30日と急遽 東京へ出かけた。税理士法人TACT髙井法博会計事務所の代表社員・理事であり、長女・博美の主人でもある額谷武士君のお母様が、かねてより病気療養中であったがお亡くなりになり、その通夜・告別式にTACTグループ役員と共に参列をするためであった。
告別式の後、せっかく東京に出るのなら、どうしてもお逢いしたい方があった。その方とは、元財務事務次官であられた矢野康治氏である。大雲上人であられる矢野先生のことを私が強く認識するようになったのは、2021年のことである。2021年11月1日に発刊された文藝春秋 11月号にて、当時現職の財務事務次官であられた矢野康治氏が、『財務次官、モノ申す「このままでは国家財政は破綻する」』と題して、「誰が総理になっても1166兆円の“借金”からは逃げられない(2024年6月末時点では1311兆円)。コロナ対策は大事だが人気取りのバラマキが続けばこの国は沈む。」という原稿を寄稿された。当時の記事を一部抜粋させていただくと、『数十兆円もの大規模な経済対策が謳われ、一方では財政収支黒字化の凍結が訴えられ、さらには消費税率の引き下げまでが提案されている。まるで国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてくる。自分は一介の役人に過ぎないが、財政をあずかり国庫の管理を任された立場として、諸々のバラマキ政策がいかに問題をはらんでいるか、そのことをいちばんわかっている立場なのに、財務省の人間が悶々とするばかりでこのまま黙って見ていることはできない。コロナ禍とはいえ、消費税廃止や税率の引下げ・所得税減税・一律10万円の給付金、その他経済対策30兆円規模(2021年当時)など、かつて松下幸之助さんが「政府はカネのなる木でも持っているかのように、国民が助けてほしいと言えば何でもかなえてやろうという気持ちでいることは、為政者の心構えとして根本的に間違っている」と言われるとおりである。私は「心あるモノ言う犬」としてお話したい。どんなに叱られても、どんなに絞られても、言うべきことを言わねばならないと思います。』として、現在の日本の財務状況・国家予算の使い方などについて警鐘を鳴らされる内容であられた。このことと共に私の心に強く残った部分が、『かつて“カミソリ後藤田”の異名を取り、名官房長官と称された後藤田正晴さんが、内閣官房の職員に対して発した訓示「後藤田五訓』の中に、「勇気を持って意見具申せよ」という一節があり、大臣や国会議員に対して、ただ単に報告や連絡を迅速に上申するだけではなく、それに的確に対処する方途についても、しっかりと臆せず意見を申し述べよと言っておられる。その後、五訓の最後に「決定が下ったら従い、命令は実行せよ」ともあり、これは役人として当然である。決定権のない公務員は、何をすべきかと言えば、公平無私に客観的に事実関係を政治家に説明し、判断を仰ぎ適正執行すること。しかし、これはあくまで基本であり、単に事実関係を説明するだけでなく、知識と経験に基づき国家国民のため、社会正義のためにどうすべきか、政治家が最善の判断を下せるよう、自らの意志を述べてサポートしなければならない。』と、このようなくだりから始まる原稿用紙30枚近くの大論文であった。この国の将来を「このままではいけない!」と、心から憂いて「何とかしなければならない」との憂国の想いから居ても立ってもおられず、我々国民に注意喚起すべく発せられたお言葉であった。このことは当時国会でも大きな話題となり、記憶されている方もいるのではないだろうか。
私は多くの本を読むため通常月刊誌等は読んだらすぐ破棄するのだが、この文藝春秋だけは手元に残しており、いつの日かお話をお伺いしたいと思っていた。そのような折、今年の5月に矢野先生が岐阜でご講演されると伺い、聴講させていただいた。一番前の席に座し、「現在の日本の財政状況と今後の日本に与える影響、日本の政治と共に私たち一人一人がどうあるべきか」等、熱意あるお話をお聞きした。講演はまさに圧巻。講演会後に先生と名刺交換させていただき、文藝春秋の手記に感激し講演をお聞きするのをとても楽しみにしていたこと、講演では矢野先生の心からの想いが伝わり、大変考えさせられる内容であったことなどをお話させていただいた。その際、当社のお客様で組織している「TACT経営研究会」の趣旨と活動状況をお話しし、「勉強熱心な企業経営者の皆様にお話をお聞かせいただきたい。」と、勇気を出して精一杯お話をさせていただくと共に、持参した前述の「文藝春秋11月号」にサインをいただいた。その際、「あなたは必死にメモを取り、誰よりも熱心に話を聞いてくださっていましたね。私でよろしければ、喜んでお話ししますよ。」と、99%難しいだろうと思っていたが、ご快諾いただくことができたのである。その後、改めて手紙で依頼を申し上げ、その手紙にも丁寧に長文のお返事をいただいたが、年内に改めて訪問したうえで正式な依頼と打ち合わせをさせていただかねばと思っていた。今回、告別式で上京する機会に「もし可能ならお逢いできれば」と連絡を取らせていただいたところ、大変急でありほとんど難しいだろうと思っていたが奇跡的にお時間をお取りくださり、お伺いさせていただくこととなった。
当日は日比谷の帝国ホテルの隣にある、日本生命(相)の特別顧問室にてご対応いただいた。その際、机上には5月の講演会で名刺交換させていただいた際の私の名刺、その後お送りした手紙などもご用意いただくなど、面談相手にも細やかなお気遣いをされる方であられた。急な面談依頼へのご快諾をいただいた御礼の後、私自身・TACTグループ・TACT経営研究会のことなども改めてお話をさせていただいたのだが、数年前に研修旅行で訪れた大日本報徳社のことや二宮尊徳翁の実施されてきた経済立て直し、そして『道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である』という尊徳翁の言葉など、考え方・学ばれていることなど大変共感する部分が多くあった。また、昨今の消費税減税の論調などに対してもその財源に疑問を呈し、私たち国民の一人一人が倫理観と先見性を持って物事を判断し行動していかなければならないとご教示いただいた。当初の20分という予定を大幅に超過する1時間20分もの時間を割いてお逢いいただき、最後はなんと日本の国家公務員の最高位であられた方がビルの外まで、姿が見えなくなるまで自らお見送りをして下さるなど、相手への配慮・お心遣いに大変感激し疲れも吹き飛ぶような出来事であった。今回の裏金問題に端を発した第50回衆議院選挙も、各党は耳障りの良い「財源を無視」した公約が多くあった。選挙の終わった今、このような公約実現のための財源と、その負担をどうするのか!!安易な国債の大増発で後世につけを回すのはあまりに無責任だと思う。この後の頁にも記載があるが、令和7年1月21日(月)の新春賀詞交歓会記念講演にてご講演をいただくため、皆様と共に上記日本の政治・経済の現状・課題と私たちが行うべきことなど、大いなる学びをいただきたいと思う。岐阜でお話を聞くことができるこの機会に、たくさんのお客様のご参加を切望いたします。
(文責:広報委員会 委員長  髙井 歩実)

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