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TACTグループ 税理士法人
TACT高井会計事務所代表社員  税理士    高井法博 

「高収益企業の特性『迅速決算』」
~日々の記帳と月次決算は経営の要諦~

高収益企業にはいろいろな特性がある。その中の一つに『迅速決算』がある。当社の経営計画書の一節に、下記のように銘記している。
『社会貢献度や優れた品質・技術力等をいくらアピールしても、財務内容が悪ければ今や全く評価されない時代であると銘記すべきである。そのために、業務の平準化・標準化・単純化・日常化・システム化を常に行い、翌月6日以内にグループ会社全ての「月次決算」「時間当たり採算表」ができる体制を確立し、問題点には直ぐに具体的な手を打つ。東証に上場している「株式会社あみやき亭」は、決算期日からたった2日後に決算発表をするという。これを可能にしているのが日次決算で、創業以来13年間連続、増収増益を続けている。
これをベンチマーキングして「結果管理」や「同時管理」ではなく、「目標差額」をつかみその差額を埋める「先行管理」体制を確立する。』
かつては翌月の6日位には月次決算が出来るが、人の異動等の理由もあり、10日前後の作成となってしまっていた。これの改善のために昨年一人の経理のベテランを採用し、この実現を命じた。一年近くなるのに一向に改善の兆しも見えず、逆に数日遅れるような状況となってしまった。更にいくつかの改善等を指示したがほとんど手がつけられず進まない。本人に問いただすと出来ない理由がいろいろ出てくる。そのほとんどが『他責』である。元々、私自身が経理の専門家である。当人の日報、月間予定表をつぶさにチェックした結果、意味のない二重のチェックをはじめ、全く無駄な作業に終始していることを発見し、彼をこの仕事から外した。
結果としては、その後、月次決算の達成期日は半減し、翌月の4日前後と計画以上の期日に出来ることとなった。更に他の作業改善も行った結果、経理部門の作業時間は大幅に減少した。
またこの経営計画書に書かせていただいた、株式会社あみやき亭の社長に是非一度お逢いしたいとつねづね思っていた。実はかねてから親しくさせていただいている経営コンサルタントの方が佐藤啓介社長と親しく、その方から偶然にも私の著書を贈呈していただき、その本までも読んでいただいていた。早速、そのコンサルタントの方経由で私の意向を伝えると、佐藤社長から逢っても良いと言っていただき、携帯電話の番号まで教えていただいた。正直一面識も無い私が、東証一部の社長の携帯電話に直接電話をする非礼に戸惑ったが、勇気を奮って電話をしたのが4月2日で、ちょうど期末2日後にして東証で決算発表をしておられる真最中であった。何か運命的なものを感じた。その後三回ほどお逢いし、いろいろお話をお聞きしてその行動を拝見させていただく中で、成功の極意をいくつも発見することができた。その中の最たるものが『迅速決算』である。その成功要因の詳細は、この一期一会78号の佐藤啓介社長とのインタビュー記事をご参照いただきたいが、当日の決算が翌日の昼にはできるという『日時決算』体制を確立しておられる。

<月次決算体制の確立が高収益を生む。>
当社の定款の第一条には、法人の位置付けとして次のように定めた。
『当法人は、お客様の経営体質強化と健全経営の実現のために、お客様に対し「ビジネスサポート業」・「情報発信基地」・「社外重役」としての役割を果たし、お客様の事業の発展に寄与し、当法人の発展と全社員の物心両面の幸せを勝ち取り、もって国家・社会の発展に貢献することをTACTグループの共通の使命とする。』
この経営理念・方針のもとにいくつかの事業施策を推進しているが、そのうちの最も根幹を成すものが、巡回監査を通した正確な月次決算書をお客様に早期に提供することにある。ちなみに当事務所の巡回監査率は月により多少の誤差はあるが、92%前後でほとんどのお客様に対し、翌月には前月の月次決算が提供出来る体制を確立している。
昭和58年には日本の個人事業をも含めた企業事業所数は533万社あったという。それが平成18年末では420万社となり、113万社が減少している。なんと5社に1社が減ったことになる。現実はここ数年毎年6%近くの廃業・倒産と4%近くの創業があり、廃業だけを見れば現在の企業は10年で6割以上が減っているということになる。また国税庁の発表によると、現在の企業の黒字企業割合は30%(赤字企業割合は70%)という中で、当社のお客様の昨年1年間の黒字企業割合は62%(赤字企業割合は38%)であった。この数字は、当社のお客様がなんと全国平均の倍の黒字割合になっているということである。お客様のご努力が第一であることは論を待たないが、当社創業の理念を愚直に実践してきたことも誤りではなかったと思っている。
  ちなみに昨年M&Aをさせていただいた会計事務所の黒字割合は、やはり全国平均と同じ30%で前後であった。高収益企業を作るポイントは正しい理念方針の確立をはじめいくつかあるが、経営者自身が数字に強くなること、その第一歩がしっかりと記帳を行い、迅速な月次決算書を出し、その数字が訴えかけてくる声に耳を傾け、迅速に具体的方策を考え判断・決定し、実行に移し、翌月の月次決算でその判断の正しさを検証していくことである。こう考えると本来良い会社とか悪い会社があるのではなく、良い社長と悪い社長があるだけなのだということをつくづく思う。
              
   
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